その①の記事を見てない方は、まず①から読んでください。
特に、フィルターを使う初心者の皆さんは①からがおすすめです。
フィルターについて詳しく知っている方は復習のために読んでもらえると嬉しいです。
その①の冒頭でも話したように、NDやPLフィルターは、写真を「派手にする」ための小道具ではなく、光をコントロールして“撮れる表現”を増やす道具です。
とはいえ初心者の方だと、「フィルターなしと何が違うの?」「どれを買えばいい?」と迷いやすいですよね。
この記事では、フィルターなしの写真と比べながら、ND=光を減らしてスローシャッターや開放撮影をしやすくする、PL=反射を抑えて色や質感をクリアにする、という基本をやさしく解説します。

1. そもそも「フィルターなし」だと何が困る?(比較の土台)
フィルターがなくても写真は撮れます。ですが、いざ撮りたいイメージがはっきりしてくると「設定を頑張っても、物理的にムリ…」という壁にぶつかりやすいです。ここでは、初心者が最初につまずきやすい“困りごと”を2つに絞って整理します。
1-1. 日中はシャッターを遅くできない(=“動き”を表現しにくい) → NDフィルターの出番
たとえば滝や川、海の波を「ふわっとなめらか」に写したいと思っても、日中は光が強すぎてシャッター速度を遅くするとすぐに白飛び(明るすぎ)しがちです。
このとき必要になるのが、レンズに入る光を減らしてくれるNDフィルター(減光フィルター)です。NDは、光量を落とすことでシャッター速度を遅くして動きを表現する、あるいは晴天でも絞りを開けて背景をぼかすといったことをやりやすくしてくれます。
「フィルターなし」だと起きやすいのは、次のような状況です。
- 水の流れが“止まって”写り、イメージした柔らかさが出ない
- 人混みや車の流れを“線”や“消える感じ”で表現したくても、シャッターが稼げない
- 明るい屋外で背景を大きくぼかしたいのに、絞りを開けると露出オーバーになる
NDを使うと作りやすい表現イメージ(参考作例)
1-2. 反射(ギラつき)で“色・質感”が損をする → PL(C-PL)フィルターの出番
もうひとつの困りごとは、**反射のせいで写真が思ったより「白っぽい」「浅い」**と感じるケースです。
水面やガラス、葉っぱ、濡れた岩、建物の表面などは、光が反射してテカりが出やすく、被写体本来の色や質感が見えにくくなります。
そこで役立つのがPL(C-PL)フィルター。
PLは反射光をコントロールして、水面やガラス面などの表面反射を抑えたり、青空をより鮮やかにして色彩やコントラストを引き出すことができる、と説明されています。
「フィルターなし」だと起きやすいのは、次のような状況です。
- 水面が白く光って、色が出ない/水中が見えない
- 窓ガラスの向こうを撮りたいのに、映り込みが強くて主役が負ける
- 葉のテカりで緑がベタッとし、立体感が出にくい
- 空がなんとなく白っぽく、スッキリしない(※条件が合うとPLが効きます)
PLの“フィルターなし/あり”比較イメージ(参考作例)
フィルターなし:
PL使用:
このセクションのまとめとしてはシンプルで、フィルターなしのままだと「時間(シャッター)」と「反射(質感)」がコントロールしづらい、という点が一番大きいです。
次の章では、まずはNDフィルターが何をしてくれる道具なのかを、もう少し具体例付きでやさしく解説していきます。
2. NDフィルターってどんな道具?
2-1. NDフィルターは「入ってくる光を減らす」ための道具
NDフィルターは、レンズに入る光の量を減らすためのフィルターです。
といっても、色を変えたり、特殊な見た目にしたりするものではありません。イメージとしては、カメラ用のサングラスに近い道具です。
光を少し暗くすることで、明るい場所でもシャッター速度や絞りを、撮りたい表現に合わせて動かしやすくしてくれます。
初心者のうちは「明るさはカメラが自動で合わせてくれるのでは?」と感じるかもしれません。
もちろん自動でも写せますが、日中の屋外では光が多すぎて、本当はもっとシャッターを遅くしたいのに遅くできない、背景をもっとぼかしたいのに明るくなりすぎる、という場面が出てきます。
NDフィルターは、そうした“明るすぎて設定の自由がきかない”状態を助けてくれる道具です。
2-2. NDフィルターがあると、どんな写真が撮りやすくなる?
NDフィルターの代表的な使い道は、シャッター速度を遅くして動きをきれいに見せることです。
たとえば滝や川の流れをやわらかく写したり、海の波をなめらかに見せたり、雲の流れをゆったり表現したりといった撮り方は、NDフィルターがあると一気にやりやすくなります。
メーカーの解説でも、NDフィルターは「シャッター速度を遅くしたい時」に使うものとして紹介されています。
もうひとつの大きな役割は、明るい場所でも絞りを開けやすくすることです。
たとえば晴れた屋外で背景を大きくぼかしたいとき、F値を小さくすると写真が明るくなりすぎてしまうことがあります。
そんなときにNDフィルターで光を減らせば、白飛びを抑えながら、ふんわりした背景ボケを作りやすくなります。
つまりNDフィルターは、長秒露光のためだけでなく、ポートレートやテーブルフォトのような“ぼかしたい撮影”でも役立つ道具です。
また、NDフィルターは長時間露光だけでなく、動画撮影や絞り開放の撮影にも使えるものとして案内されています。
写真を始めたばかりだと「滝を撮る人向けの道具」という印象を持ちやすいですが、実際は“明るさを抑えて、設定の自由を取り戻すための道具”と考えると分かりやすいです。
2-3. 「フィルターなし」と比べると、何が変わる?
フィルターなしで日中の水辺を撮ると、水しぶきや波の形が細かく止まりやすく、見た目の印象も“そのまま”になりやすいです。
一方でNDフィルターを使うと、シャッター速度を遅くできるので、水の流れがなめらかになり、写真全体の雰囲気もぐっと落ち着いて見えます。
これは加工で似せることはできても、撮影時に実際の光と時間をコントロールしているという点で、NDフィルターならではの表現です。
たとえば、NDフィルターなしで1秒のシャッター速度なら、ND8(3段減光)を使うと8秒にできると説明されています。
こうしてシャッター時間を長く取れるようになることで、水や雲、通行人など“動いているもの”の写り方が大きく変わります。
細かい段数の考え方は次の章でやさしく整理しますが、ここではまず「NDフィルターを付けると、時間の流れを写真に写し込みやすくなる」と覚えておけば十分です。
作例イメージ
NDフィルターを使うと、こうしたスローシャッターの表現がしやすくなります。
この章のポイントをひとことで言うと、NDフィルターは「写真を暗くする道具」ではなく、「明るすぎる場面でも、自分の撮りたい設定を選べるようにする道具」です。
次の章では、初心者がいちばん迷いやすい「ND8やND64って何?」「何stopってどう考えるの?」という部分を、できるだけやさしく整理していきます。

