はじめてのND・PLフィルター入門|「フィルターなし」と比べて写真がどう変わる?その④

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🔍 そもそも「PL フィルター」って何?

PL フィルターとは、レンズの先端にネジで装着する円形の特殊フィルターです。「PL」は Polarizing(偏光) の略で、日本語では「偏光フィルター」と呼ばれます。

デジタルカメラ(一眼レフ・ミラーレス)では、カメラ内部の仕組みとの相性から、ほぼすべての場面で C-PL(サーキュラーPL / 円偏光フィルター) が使われます。「PL」「C-PL」「CPL」はほぼ同じものだと思って OK です。

📌 一言で言うと? 「水面やガラスなどの”ギラついた反射”を消して、写真を一気にクリアで鮮やかにしてくれる魔法のフィルター」です。


💡 なぜ反射が消えるの? ── 仕組みをざっくり理解しよう

少し難しそうに聞こえますが、仕組みは意外とシンプルです。

通常、光はあらゆる方向に揺れながら進んでいます。ところが水面やガラスに当たって反射した光は、特定の方向にだけ揺れる「偏光」という状態になります。これが、写真に映り込む”ギラつき”や”テカり”の正体です。

C-PLフィルターは内部に「偏光膜(フィルター)」を持っており、この偏光だけを選んでカットすることができます。つまり、反射光だけを選択的に消すことができるのです。

しかも、フィルターの前枠(手前側の輪っか)をくるくると回すだけで、「反射をどれだけ消すか」を自由に調整できます。90°回すごとに効果が最大↔最小と切り替わる構造になっています。

PLフィルター使用前後の比較 ▲ フィルターなし(左)と PLフィルターあり(右)の比較。ケンコー・トキナー


🌊 PLフィルターで変わる! 3大シーン

① 水面・池・海の反射を消す → 透明感が格段にアップ

水面に太陽や空が反射していると、水中の様子が全く見えなかったり、全体的に白っぽくなってしまいます。PLフィルターを使うと、水面のギラつきが消え、水中の石・砂・魚まで透けて見えるような透明感が生まれます。清流や海の撮影では特に効果絶大です。

② 青空をより深く、濃くする

晴れた日でも、大気中の光の乱反射で空が薄白く写ってしまうことがあります。PLフィルターを使うと、空の青さが一段と濃く、雲とのコントラストもくっきりします。条件は「太陽を背にして、太陽との角度が約90°の方向の空」を撮影すること。これが最も効果が出るポジションです。

CPL 太陽と90度の角度 ▲ 太陽とカメラの角度が約90°のとき、空の青さ強調効果が最大になる。にゃんころカメラ

③ 葉っぱ・紅葉・植物の「テカり」を消す → 本来の色が出る

新緑や紅葉の葉には、太陽光が当たると表面がテカって本来の色が飛んでしまいます。PLフィルターでこのテカりを除去すると、緑や赤・黄色が本来の鮮やかさで写り、印象的な一枚になります。ケンコー・トキナー


🙌 使い方はとても簡単! 3ステップ

✅ Step 1:レンズに装着する フィルターには「前枠(商品名が書いてある側)」と「後枠」があります。後枠をレンズに当てて、時計回りにしっかりねじ込みます。外すときは後枠を持って反時計回りに。

✅ Step 2:ファインダー(またはモニター)を見ながら前枠をゆっくり回す 前枠を少しずつ回しながら、リアルタイムで反射が消えていく様子を確認しましょう。「一番クリアに見える位置」で止めるだけでOK。

✅ Step 3:シャッターを切る あとはいつも通りに撮影するだけです!


🎯 PLフィルターが効く条件・効かない条件

効果にはいくつか「条件」があります。知っておくとムダな失敗が減ります。

状況効果
☀️ 晴天・強い太陽光がある◎ 最も効果が出る
💦 水面・ガラスに対して30〜40°の角度◎ 反射除去に最適な角度
🌥 曇りや室内など、光が弱い△ 効果が薄い
🪞 鏡・金属面の反射✕ 効果なし(偏光が出ない)
📱 液晶モニターへの反射✕ 逆に画面が真っ暗になることも

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⚠️ 初心者がハマりがちな注意点

① 写真が「1〜2段」暗くなる PLフィルターは光の一部をカットするため、シャッター速度が2〜4倍遅くなります。手ブレに注意し、三脚の使用も検討しましょう。

② 反射は「全部消せばいい」わけじゃない 反射を消しすぎると、立体感のないのっぺりした不自然な写真になることがあります。“少し残す” くらいの加減が自然でキレイに仕上がります。

③ 超広角レンズでは「ムラ」が出やすい 広い空を一度に写すと、場所によって青さが違って見える「偏光ムラ」が出ることがあります。また、フィルター枠の厚みによっては四隅が暗くなる「ケラレ」が発生する場合も。超広角レンズには「薄枠タイプ」のPLフィルターを選ぶのがおすすめです。

④ 他のフィルターと重ねるのはNG 保護フィルターをつけたまま重ねて装着すると、ケラレや画質低下の原因になります。PLフィルターを使うときは保護フィルターを外してから装着しましょう。

⑤ 寿命がある(約7〜8年) 偏光膜は経年変化で黄色く変色します。古いフィルターを使い続けると色がおかしくなるので、定期的な確認・買い替えを。ケンコー・トキナー


🛒 選び方のポイント(初心者向け)

  • サイズ: レンズの「フィルター径」(レンズ前面に書いてある「ø49mm」など)に合わせて購入
  • メーカー: ケンコー・トキナー、マルミ、NiSi などの国内・定評ブランドがおすすめ。格安品は色ズレやムラが出やすいので注意
  • 薄枠タイプ: 広角〜標準ズームレンズを使うなら「スリムタイプ(薄枠)」を選ぶとケラレ防止になります

✨ まとめ

PLフィルター(C-PL)は、「撮影中にしかできない」反射のコントロールができる、風景撮影の定番フィルターです。後処理(現像ソフト)でどれだけ頑張っても、撮影時に消した反射を後から再現するのは非常に困難。だからこそ、「撮る前にフィルターを使う」ことに大きな意味があるのです。

水辺・青空・紅葉・ガラス越しの撮影など、使う場面は意外と多く、一枚持っておくだけで写真の世界が広がります。まずは晴れた日の水辺や空でぜひ試してみてください!

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