3. NDフィルターの「ND8・ND64・何stop?」数字の読み方と選び方
NDフィルターを選ぼうとすると、まず出てくるのが「ND8」「ND64」「10stop」などの数字です。
はじめて見ると少しややこしく感じますが、実は覚えることはそれほど多くありません。
ポイントは、NDの数字は“光をどれだけ減らすか”、stop(段)は“どれだけ暗くなるか”を表している、という2つだけです。

3-1. まずはここだけ:数字が大きいほど“たくさん暗くなる”
NDフィルターの「ND8」や「ND64」という数字は、光をどれくらい減らすかの目安です。
数字が大きいほど、より強く光をカットします。
たとえば公式の早見表では、
ND2=1stop、
ND4=2stop、
ND8=3stop、
ND16=4stop、
ND32=5stop、
ND64=6stop、
ND1000=10stop という対応になっています。
つまり感覚としては、
- ND8:少ししっかり暗くする
- ND64:かなり暗くする
- ND1000:長秒露光向けに大きく暗くする
と考えると、最初は十分です。細かい理屈よりも、まずは「数字が大きいほどシャッターを遅くしやすくなる」と覚えておくと、選びやすくなります。
3-2. 「stop(段)」は、シャッター時間を何倍にできるかの目安
NDフィルターの説明でよく出てくる「1stop」「6stop」という言い方は、露出の“段数”のことです。
考え方はとてもシンプルで、1stop暗くなるごとに、シャッター速度は2倍遅くできると考えればOKです。
たとえば、シャッター速度を1/60秒から1/30秒にすると、取り込む光は2倍になります。これは1段分の変化です。
この考え方でいくと、
- 1stop → シャッター時間2倍
- 2stop → 4倍
- 3stop → 8倍
- 6stop → 64倍
- 10stop → 1000倍前後
というイメージになります。 - フィルターなしで1秒なら、ND8(3stop)を使うと8秒にできると説明されています。
- つまりstopの数字は、「どれだけ長い時間を写し込めるか」を考えるための目安でもあるわけです。
3-3. よく見る数字を、やさしく言い換えるとこうなる
初心者向けにざっくり言い換えると、次のようなイメージです。
| 表記 | stop(段) | ざっくりした使いどころ |
|---|---|---|
| ND8 | 3stop | 少しシャッターを遅くしたいとき。夕方や曇り、水の流れを軽くなめらかにしたい場面 |
| ND64 | 6stop | 日中の川・滝・海で、しっかりスローシャッターを使いたいとき |
| ND1000 | 10stop | 昼間でも本格的な長秒露光をしたいとき。雲の流れや人の動きを大きく表現したい場面 |
3-4. じゃあ、最初の1枚はどれを選べばいい?
ここでいちばん気になるのが「結局、自分はどれを買えばいいの?」という点だと思います。
初心者が最初に選ぶなら、考え方は次のようにすると分かりやすいです。
まず水の流れをきれいに撮ってみたいなら、ND64が使いやすいです。
明るい日中でもある程度しっかりシャッターを遅くしやすく、滝・川・海などで“変化が分かりやすい”からです。
一方で、昼間にもっとしっかり長秒露光をしたいならND1000が候補になります。
雲を流したい、人通りを目立たなくしたい、といった表現は10stopクラスのほうが狙いやすくなります。
逆に、「まずは軽く試したい」「薄暗い時間帯に使うことが多そう」ならND8もアリです。
ただし日中の強い光の中では、ND8だけだと「思ったほどシャッターが遅くならない」と感じることもあります。
なので、風景撮影をしっかり楽しみたい人には、最初の1枚としてはND64のほうが“効果を実感しやすい”ことが多いです。
3-5. 数字が苦手でも大丈夫。早見表やアプリを使えばOK
ここまで読んで、「理屈は分かったけれど、現場で毎回計算するのは大変そう…」と感じた方もいるかもしれません。でも心配いりません。
段数が増えると計算が複雑になるため、
早見表や『NiSi ND Calculator』のようなアプリを使えば簡単と案内されています。
つまり、数字の意味をふんわり理解しておけば、実際の撮影では表やアプリに頼って問題ありません。
3-6. この章のまとめ
この章で覚えておきたいのは、次の3つだけです。
- NDの数字が大きいほど、光をたくさん減らせる
- stop(段)は、シャッターをどれだけ遅くできるかの目安
- 最初の1枚としては、効果が分かりやすいND64が有力候補
難しそうに見える数字も、「どれくらい暗くして、どれくらいシャッターを遅くしたいか」と考えると、ぐっと分かりやすくなります。
次の章では、NDとは役割がまったく違うもうひとつの定番、PL(C-PL)フィルターについて見ていきましょう。

